親が高齢になったんで、運転免許証を返納させたい。
もう車を運転する機会がなさそうだから、免許を返納しちゃおうかと思うんだけど。手続きは面倒なのかな? 進め方を教えて欲しい!
こんな悩みをお持ちの人、結構いるんじゃないでしょうか?
こういった行政の手続きはわかりづらいことが多いし、都道府県ごとに違ったりするので調べるのがとても面倒ですよね。
でも実際は免許の返納は、進め方さえ知ってしまえば非常に簡単に申請できます。しかも、免許の代わりになる「運転経歴証明書」を発行してもらうと、公共交通機関の運賃割引やレジャー施設の料金割引などの特典を受けられるようになるんです。
面倒だなと先延ばしすると、せっかく返納してもメリットを受けられる期間がどんどん短くなってしまいますので、返納すると決めたのであれば、すぐにでも手続きを進めて特典の恩恵を受けていったほうがおトクです!
この記事では、運転免許の自主返納制度について、返納のやり方や運転経歴証明書で受けられるメリットなどを誰でもわかるように解説していきます。
・運転免許の自主返納制度について知ることができる
・自主返納の進め方がわかる
・返納後に忘れがちな手続きについて知ることができる
最後まで読んでいただければ、免許返納と運転経歴証明書の申請がスムーズに進められるようになるはずです!
運転免許証の返納について
運転免許証の自主返納制度とは
運転免許証の自主返納制度とは、運転免許が不要になった人や運転に不安を感じるようになった人が、自主的に運転免許証の全部または一部を返納することができる制度です。
自主返納制度は、20年以上前に導入されています。最初はあまり知られていなかった自主返納制度ですが、最近では高齢ドライバー事故の報道が増え、世の中での認知度も上がってきたように感じます。
平成24年の改正で運転経歴証明書が本人確認書類として使用可能になったことで、運転免許証を本人確認書類として使っていた人も返納しやすくなりました。
- 1997年(平成9年)の道路交通法改正により、自主返納制度を導入
- 2001年(平成13年)の道路交通法改正により、「運転経歴証明書」を導入
- 2012年(平成24年)の犯収法施行規則改正により、運転経歴証明書が本人確認書類として使用可能に
- 2019年(令和元年)の道路交通法改正により、運転免許失効者も運転経歴証明書の交付申請が可能に
警察庁が発表している統計を見ると、直近3年間では毎年50万人以上の人が運転免許の自主返納をしていますが、半数くらいは75歳未満の人が占めています。高齢ドライバーに限らず、免許を持っていても車は使わずに本人確認書類があればいいと言う人も返納しているケースが多いようです。
一方で、75歳以上の免許保有者数は令和2年時点で約600万人で、これは高齢化が進むなかで毎年上昇傾向になっています。つまり、毎年20万人以上の人が返納しても高齢ドライバーの人数自体は増えているということになります。
免許返納の流れ
返納するには免許証を申請場所へ持参するだけ。費用はかからず、とても簡単な手続きで完了できます。
(試験場や免許更新センターに行かなければならないのが、少し手間ですが・・・。)
免許返納と同時に運転経歴証明書を発行してもらいたい場合は、申請用の写真と手数料が追加で必要になります。
参考までに東京都の例です。
- 申請場所:運転免許試験場、運転免許更新センター、警察署
- 必要なもの:運転免許証、申請用写真、手数料1,100円
都道府県によって申請場所は異なるので、お住まいの都道府県の警察HPで確認してみてください。
(警察庁 都道府県警察本部リンク)
免許返納できないケースがある
「よし、さっそく申請しに行こう!」と思われたかた、ちょっと待ってください!
免許が返納できなかったり、運転経歴証明書が申請できないケースがありますので、返納する前にご自身に当てはまるものがないか確認をしてください。
- すでに運転免許証の有効期限が過ぎて失効している
- 運転免許の停止・取消しの行政処分を受けている
- 運転免許の停止・取消し処分の基準等に該当する など
- 自主返納後5年以上経過している人
- 運転免許執行後5年以上経過している人
- 交通違反等で免許取消しになった人 など
出典:政府広報オンライン
もう車には乗らないから免許の更新にも行かなかったという場合、注意が必要です。過去に免許を持っていたとしても、執行してから5年以上経過していると運転経歴証明書は発行してもらえません。運転免許証で期間の範囲内か確認しましょう。
代理人による申請も可能
本人が行くことが困難な場合は、家族などの代理人による申請もできます。
先ほど書いた申請に必要なものに加えて、以下の2点が必要になりますので、用意して申請しましょう。
- 委任状
- 代理人の住所・氏名・生年月日が確認できるもの
免許を返納したら得られるメリット
免許の更新は年を追うごとに厳しく
70歳以上になって免許を更新するときは、高齢者講習の受講が必要になります。講習1時間、実技1時間の計2時間の講習を更新前に受けることになります。
75歳以上になると、認知機能検査が加わります。検査の結果で認知症の恐れがあるとされた場合は、医師の診断を受ける必要があります。なお、医師の診断で認知症とされた場合は、免許の取消等になり、本人が望んでも免許の更新はできません。
また、過去3年以内に一定の違反行為がある場合は、「運転技能検査」という実車での技能検査に合格する必要があります。これは有効期間満了日までは何度でも受けることができます。
このように年々高齢者の免許更新は厳しくなってきています。
返納したときのメリット
自主返納し運転履歴証明書を取得した人は、公共交通の運賃割引などの特典が受けられるようになります。
高齢運転者支援サイトに都道府県ごとの特典が記載されたHPへのリンクが掲載されています。
これを見てみると、結構驚きます。タクシーやバスの運賃割引くらいは想像できますが、それ以外にもレジャー施設や宿泊施設、飲食店などの料金割引、銀行の定期預金金利の優遇など、かなり多くの特典を受けられます。
免許を返納したら合わせて確認
車両の処分を検討
これまで乗っていた車がある場合は、売却、譲渡、廃車など処分方法を決めなくてはいけません。そのまま乗らずに不動車にしてしまうと、車の価値は日に日に下がってしまいます。
手続きが面倒だと感じてしまうと、先延ばししてしまうもの。一気に片付けてしまいましょう。
廃車に関する記事を書いたので、もしよければ参考にしてみてください。
車両を手放した場合の手続き
車両を手放した場合は、任意保険や駐車場など、解約が必要なものは手続きを忘れないようにしましょう。
個人間で譲渡した場合は、速やかに名義変更をしたほうがよいです。
名義変更をしないままにしてしまうと、次の自動車税の納税通知書が届いてしまったり面倒なことになってしまいます。
まとめ
免許返納の進め方について、解説してきました。
手続き自体は非常に簡単と感じていただけたのではないでしょうか。
運転経歴証明書を保有することで受けられるメリットも、たくさんありますね。
特典はこれからも増えていくのではないかと思っています。
最後に、免許だけではなく車両や保険などの処理も、お忘れなく!
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